*ヨガとインド哲学*アーカイブ

『ゴーラクシャ・シャタカ』和訳 第38〜第53頌。ムドラーについてです。
*()内はクヴァラヤーナンダ師による補足です。


38. 死への恐れから、ブラフマーはプラーナーヤーマに専心する。ヨガ行者やムニたちもそうするように、ヴァーユ(プラーナ)をコントロールすべきてある。

ブラフマーはシヴァ、ヴィシュヌと並ぶ創造神です。神様でも死を恐れるんですね。
ムニは釈迦牟尼のムニで、瞑想を中心とした修行を行う聖者のことです。

ヴァーユは風です。息はヴァーユであり、生命エネルギーであるプラーナでもあります。


39. 呼吸(ヴァーユ)が不安定なときは、すべてが不安定である。しかし呼吸が静かなときは、他も静かであり、ヨーガ行者は動かなくなる(サマーディに入る)。であるから、呼吸のコントロールを行うべきである。

呼吸と瞑想の関係です。サマーディは仏教用語では三昧と言いますが、禅定(ディヤーナ)よりも深い段階です。よく二つはご混同されますが、別の状態を表しています。


40. ハムサ(息)は左右の鼻孔を通り、36アングラ(=27インチ)まで出てゆく。これをプラーナ(出てゆくもの)という。

「息」と注釈されている「ハムサ」は鳥を意味します。鳥と魂や風のイメージがつながっているからでしょうか。
ちなみに、はじめの第38頌にでてきたブラフマー神の乗り物はハムサ鳥です。

「アングラ」は、サンスクリットで指の長さを元にした単位です。日本で言う「寸」のような感じですね。
仏伝にアングリマーラという、殺した人の指を切っては首飾りにする人物が出てきますが、アングリマーラは通名で、「指の首飾り」を意味します。


41.ヨーガ行者は人里離れた場所で、パドマアーサナで坐り、シヴァであるグルに従い、視線を鼻先に固定してプラーナーヤーマを修練するべきである。

自分のヨーガの先生を、ヨーガの神シヴァと思って従います。
指導者について行わなければ危険な修行だと言うことでもあります。


42. プラーナは体の中にあるヴァーユであり、アーヤーマとは抑制することである。ひと呼吸がプラーナーヤーマ(全体)をはかるので、(ひと呼吸でプラーナをブラフマランドラに導く)ヨーガは至高のものである。

プラーナーヤーマはよく呼吸法といわれますが、呼吸法によって生命エネルギーであるプラーナをコントロールすること、という方が正しそうです。

第30頌にも出てきた「ブラフマランドラ」は「ブラフマ孔」ともいい、スシュムナーの上端、頭頂にあるとされる孔です。


43. ヨーガ行者はパドマーサナで坐り、イダーからプラーナを吸い、できるだけ保持し、またピンガラーから吐き出す。

イダーはスシュムナーの左側、ピンガラーは右側にある脈管です。つまり、左の鼻の穴から吸って、右から吐く。沈静化させる月の呼吸です。


44.プラーナーヤーマ(上記のようなチャンドラーンガービャーサ)を行うときは、(白く輝く)乳の(ような甘露の)海のような丸い月を瞑想し、喜びを感じる。

左から吸うのは月(チャンドラ)の呼吸です。不老不死の甘露、アムリタをたたえた海として、満月を観想します。


45. ピンガラからプラーナを吸い、肺(ウダラ)を満たし、定められた通りに息を保ち、またイダーから吐く。

今度は右の鼻の穴から吸う太陽の呼吸ですが、息の保持が入ります。定められた通りとありますが、ここにはどれくらい止めればよいかは書いていません。

「ウダラ」は原文にはないクヴァラヤーナンダ師の補足ですが、お腹のことなので、腹式呼吸ということでしょうかね。


46. プラーナーヤーマ(上記のようなスーリヤーンガービャーサ)を行うときは、へそにある、燃え上がる炎の塊のような丸い太陽を瞑想し、喜びを感じる。

活性化する太陽の呼吸なので、今度はお腹の太陽を観想します。
太陽と月、ハタ・ヨーガでは重要なシンボルです。


47. 12マートラーの間続き、プラナヴァと一体になるプラーナーヤーマには、レーチャカ、プーラカ、クンバカの三つの部分がある。

「マートラー」はいろいろな場合に使われる単位ですが、ここでは時間の長さです。1マートラーはほんの一瞬です。呼吸法を1ターン行う長さが12マートラー、ということでしょう。

「プラナヴァ」とは「聖音」つまり「オーム」です。

「レーチャカ」は呼息、「プーラカ」は吸気、「クンバカ」は止息です。
ここでは吐く息が最初に来ていますが、何か意味があるのでしょうか。


48. プラーナーヤーマの長さは、下位のものは12マートラー、中位のものはその倍、最高位のものは三倍とされている。

プラーナーヤーマを、その長さによって三段階に分けています。つまり、36マートラーで1ターン行うのが一番良いようですね。


49. 下位のものでは、体からとても発汗する。二番目のものでは振動を感じる。最後のものでは、しばしばバッダパドマーサナで坐ったヨーガ行者は空中に浮揚する。

プラーナーヤーマの持続時間によって、その効果も異なるようです。
最後のは、日本ではあまりいいイメージないですけどね。。残念なことに。


50.プラーナーヤーマの実践の間、発した汗で体をこするとよい。苦味、酸味、塩味のものを避け、ミルクを主原料とする食物を摂るべきである。

ここで身体をマッサージする理由はよくわかりません。
刺激の強い食べ物は避け、滋養のあるミルクを摂るようです。完全菜食ではありません。


51.ゆっくりと息を吸い、同様にゆっくりと吐く。個人の許容量を越えて必要以上に息を保持してはならないし、急速に吐いてはならない。

無理せずゆっくり行います。ヨーガは苦行ではないということです。


52. (ムーラバンダによって)アパーナを引き上げ、それとシャクティすなわちクンダリニーを(スシュムナーを通じて)(プラーナとともに頭へ持ち上げ)合一させる。(これによって)あらゆる罪から解放される。

プラーナの中でもアパーナは下へ向かうエネルギーなので、バンダによって引き上げます。シャクティ=クンダリニーは会陰部あたりにある女性原理の力なので、頭頂にある男性原理の力に向けて引き上げるのです。


53. このように、プラーナーヤーマは、罪という燃料に対する火となる。それはつねにヨーガ行者によって、罪の海を渡る強い橋と呼ばれる。

つまり、プラーナーヤーマによって罪をも滅してしまう、ということです。

次は感覚器官を制御するプラティアーハーラです。
しかしゴーラクシャ・シャタカでは、それだけではないようです。

『ゴーラクシャ・シャタカ』和訳 第32〜第37頌。ムドラーについてです。
*()内はクヴァラヤーナンダ師による補足です。


32. マハームドラー、ナボームドラー、ウディヤーナ、ジャーランダラ、ムーラバンダを知るヨーガ行者は、奇跡の力の受け皿となる。

これから5つのムドラーについて、1頌ずつを費やして詳細が説かれます。
最後の3つは、締めつけるバンダですね。


33. あごを胸にあて、左のかかとでヨーニ(肛門と睾丸の間)を強く押し続ける。伸ばした右足を両手で持ち、呼吸によって両サイドを満たし、(一定時間)保ち、ゆっくりと吐く。これをマハームドラーといい、人間のあらゆる罪を破壊する

「マハー」は「偉大な」を意味します。あごを胸にあてるのはジャーランダラ・バンダでもあります。罪を破壊するとはすごいですね。
ここでは右側しか述べられていませんが、左側もバランスよく行った方がよいでしょう。


34. 舌をひっくり返して頭蓋骨の穴、つまり鼻咽頭に入れ、目線を眉の間にしっかり固定する。これがケーチャリー・ムドラーである。

2番目はナボー・ムドラーのはずですが、突然ケーチャリー・ムドラーが出てきます。「ケーチャリー」はサンスクリットで「飛行」、ナボーは「空」なので、どうやら同じものをさしていたようです。

鼻咽頭は鼻と喉がつながっているところで、喉のかなり奥です。ここをふさぐのは、不老不死の甘露、アムリタが流れ出すのを止めるためなのですが、むやみにやると逆に自分の舌でのどつまらせて死んじゃいそうですね。
これを行うには舌が相当長くなくてはならないので、舌の裏の筋をちょっとずつ切ってひっぱって伸ばすんだとか。。危ないので、確かな師の指導なしにはやらないでくださいね。


35. 男根の上、へその下の場所をウッディヤーナという。ここのバンダはこの場所をコントロールし、死という象に向かうライオンのごとくである。

息を吐ききってお腹を引き上げるウッディヤーナバンダですね。内蔵のコントロールというより、プラーナのコントロールのことを指しているんでしょう。ハタ・ヨーガでは死の克服が重要なテーマになっています。


35.喉の引き締めを特徴とするジャーランダラ・バンダを行うと、甘露はナーディマンダラの火中に落ちることなく、ヴァーユが誤った方向にいくことがない。

不老不死の甘露(ネクター、アムリタ)を燃やさないように、喉のところで止めるのです。
15頌ではお腹にあるのは「ナービマンダラ」とされていましたが、ここではナーディマンダラとなっています。ヴァーユは気の流れです。


37. ヨーニ(肛門と睾丸の間)をかかとで押し、肛門を引き締め、アパーナを引き上げる。これをムーラ・バンダという。

「ムーラ」はムーラーダーラ・チャクラと同じく「根本」を意味します。ムーラ・バンダはアーサナクラスでもよく聞く言葉ですが、ただ体を強くするために引き締めるのではなく、下へ向かう気であるアパーナを引き上げるために行うのです。


これらムドラーはアーサナの一部と思われがちですが、坐法であるアーサナと異なり、プラーナのコントロールとアムリタの抑制を目的としています。


次はプラーナーヤーマです。

『ゴーラクシャ・シャタカ』和訳 第30〜第31頌。クンダリニーについてです。

こちらのまとめは掲載が少し遅くなりますので、リアルタイムのまとめはtwilogでどうぞ。
http://twilog.org/vivian_LFD/hashtags-Goraksha/


30. カンダの上に、クンダリニーという力が八重にとぐろを巻いて横たわっており、その口でブラフマランドラの入り口を塞いでいる。

「カンダ」はお腹のマニプーラチャクラのところにある球状のものでしたね。クンダリニーという力は、普通はムーラーダーラのところにあると言われていますが、ゴーラクシャ・シャタカではナーディもカンダから始まることになっており、ここが中心的な場所となっています。

クンダリーニという力が蛇のイメージで表されています。「ブラフマランドラ」は、頭にあるといわれる見えない孔です。サンスクリット原文では「ブラフマ・ドヴァーラ」ですが、ドヴァーラは門なので同じような意味ですね。
ブラフマ孔はスシュムナーの上端にあると言われていますから、その入り口とはカンダからはじまるスシュムナーの下端になります。


31. 炎に触れて目覚め、生命の息吹にあおられ、彼女はプラジーヴァを紐のようにともなってスシュムナーを上る。

おっと、クンダリニーはメスの蛇だったんですね。クンダリニーは、シャクティという女性原理を表しています。

プラジーヴァについては説明がないのですが、生命エネルギーのようなものと解せばよいでしょうか。


次はムドラーです。

『ゴーラクシャ・シャタカ』和訳 第24〜第29頌。ナーディについてです。
*()内はクヴァラヤーナンダ師による補足です。

ここからはクヴァラヤーナンダ師の解説がないので、プラディーピカーやゲーランダも参照しながらなんとか解読します。


24. 主なヴァーユの名は、プラーナとアパーナ 、サマーナ、ウダーナとヴャーナ、ナーガとクールマ 、クリカラ、デーヴァダッタ、ダナンジャヤである。

ヴァーユは風を意味しますが、ここでは気の流れのようなものでしょうか。チベットでもルン(風)といいますね。(英訳ではなぜかサマーナが抜けていました。)


25. このうちプラーナなど5つはよく知られており、他にナーガなど5つがある。これらはジーヴァ(命)の形をとって何千ものナーディの中を動く。

クヴァラヤーナンダ師は「ジーヴァ」を「life」と英訳しています。ジーヴァはよく「個我」などと訳されますが、ここでは「命」としておきましょう。


26. ジーヴァはプラーナとアパ--ナに支配され、左右の道を通って(鼻孔を)のぼったり(ムーラーダーラへ)おりたりしており、その動きは微かなため見ることができない。

「プラーナ」は吸気で、上昇するエネルギー。「アパーナ」は呼気で、下降するエネルギーです。左右の道とはイダーとピンガラのナーディでしょう。つまり、呼吸によって生命力が身体の中を行ったり来たりしているのですね。


27. 棒で地面にたたきつけられた球がはねかえるように、ジーヴァはプラーナとアパーナに投げられ、(それらによって)引っ張られる。

生命エネルギーが呼吸によって体の中を上下する様子です。


28. 紐でつながれたハヤブサが、飛び立っても引き戻されるように、ジーヴァはグナ(文字通りの意味は紐。理論上はプラクリティを構成する3つの質)につながれ、プラーナとアパーナに引っ張られる。

命が呼吸につながっている様子がまた別のたとえで語られますが、今度はグナとの関係が出てきました。どうも、体という紐につながれて自由でないようなイメージですね。

サーンキヤ哲学によれば、3つのグナとはサットヴァ(純質)、ラジャス(激質)、タマス(陰質)で、根本原質であるプラクリティを構成しています。心や身体も、3グナのバランスで成り立っていることになっています。


29. アパーナはプラーナを引っ張り、プラーナはアパーナを引っ張る。それぞれ高所と低所(プラーナは胸、アパーナは肛門)にある。これらを知る者は、ヨーガを知る者である。

上昇するエネルギーと下降するエネルギーで、我々の体はバランスをとっているようです。


次回はクンダリニーです。

『ゴーラクシャ・シャタカ』和訳 第16〜第23頌。ナーディについてです。
()内はクヴァラヤーナンダ師による英訳注です。


16. 男根の上、へその下に鳥の卵のような球根(カンダ)があり、そこから72,000本のナーディ(脈管)が出ている。

ナーディについては古くは『チャーンドーギヤ・ウパニシャッド』や『ブリハッドアーランニャカ』にも載っています。
『チャーンドーギヤ・ウパニシャッド』では、スシュムナーは胸のフリダヤから始まっているとされています。ところが、『ゴーラクシャ・シャタカ』と『ハタヨーガ・プラディーピカー』ではおへその下のカンダから始まるとされています。

カンダやナーディは物質的肉体の器官ではないので、その場所については諸説あります。
『ハタヨーガ・プラディーピカー』では、カンダは肛門から12指上にあるとされています。ムーラーダーラのヨーニから始まっているという説もあるそうです。


17. プラーナの流れる何千ものナーディの中でも、72本が重要とされる。さらにその中の10本は特筆すべきものである。

以下に、プラーナの通る脈管であるナーディーの中でも重要な10本の名前が列挙されます。背骨のあたりを通る真ん中のスシュムナーと、左右のイダー、ピンガラはよく知られていますね。


18. イダー、ピンガラ、3つ目はスシュムナー。そしてガーンダーリー、ハスティジフヴァー、プーシャー、ヤシャスヴィニー。

ハスティジフヴァーは象の舌、プーサーは月の名前、プーシャーは三日月、ヤシャスヴィニーは女性の名前です。


19.アランブシャー、クフー、そして10番目がシャンキニーである。このナーディのネットワークは、ヨーガ行者が常に知るべきものである。

アランブシャーは天女の名前、クフーは新月、シャンキニーは真珠の母を意味する女性名です。


20. イダーは左側に、ピンガラは右側に、スシュムナーは中央にあり、ガーンダーリーは左目へと伸びている。

21. ハスティジフヴァーは右目に、プーシャーは右耳に、ヤシャスヴィニーは左耳に、アランブシャーは口の中に伸びている。

22. クフーは男根の上方に、シャンキニーはムーラスターナ(ムーラーダーラ)にある。10のナーディの末端はこのようになっており、プラーナの通り道となっている。

10のナーディーの末端が身体のどこに伸びているかが述べられています。


23.次の3つのナーディー、イダー、ピンガラー、スシュムナーは絶え間なくプラーナを運ぶ。それぞれが月(ソーマ)、太陽(スーリヤ)、火(アグニ)の神を持つとされる。

左右のイダーとピンガラが、月と太陽で象徴されています。右のピンガラを活性化させる呼吸法に、右の鼻から吸って左の鼻から吐くスーリヤ・ベーダナというものがありますね。


次回はプラーナについてです。

『ゴーラクシャ・シャタカ』和訳 第10〜第15頌。チャクラについてです。
()内はクヴァラヤーナンダ師による英訳注です。

10. アーダーラが一番目のチャクラであり、スヴァーディシュターナが二番目である。二つの間には"カーマルーパ"と呼ばれるヨーニスターナがある。

アーダーラ・チャクラはムーラーダーラとしても知られていますね。ムーラは「根」。ムーラバンダのムーラです。アーダーラは「支え」。坐ったときに根っこになるところにあるチャクラです。
スヴァディシュターナは「自分の場所」とか「よりどころ」を意味します。

カーマは「欲」ですが、特に「性欲」と解されることもあります。ルーパは仏教で「色」といいますが、現象や形のことです。愛の神が住む場所であるとも言われています。玄奘三蔵のころ、アッサム地方にカーマルーパという国がありましたが、関係あるのでしょうか。

「ヨーニスターナ」はパドマーサナのところで「会陰」として出てきましたね。しかし、どうやら解剖学的な身体のことだけではないようです。



11. 肛門にある、四枚の花弁をもつ蓮華をアーダーラと呼ぶ。その中央にカーマというヨーニがあり、達成者に崇拝されるものである。

第10頌で「カーマルーパというヨーニスターナ」はアーダーラとスヴァーディシュターナの間と言っていましたが、今度はアーダーラの中に「カーマというヨーニ」があるとしています。

『シヴァ・サンヒター』では、アーダーラ・チャクラは肛門の二指上、男根の二指下にあるとされています。クヴァラヤーナンダ師は、肛門に近いところにあるのだと解釈しています。「ヨーニ」は女性器の象徴です。


12. このヨーニの中にマハーリンガがあり、(スシュムナーの入り口である)西を向き、その頂点は宝石のように輝いている。これを知る者はヨーガを知るものである。

ヨーニという女性器のシンボルの中にリンガという男性器のシンボルが立っている石像を見たことがあるでしょうか? あれはシヴァ神の象徴なのです。
男根崇拝は原始宗教においては広く見られるものですが、リンガ信仰はヴェーダの宗教と結びついたために、現代まで根強く信仰が続いているのです。「マハー」は「偉大な」という意味です。

「西を向いて」というのは、タントラのシンボリズムでは下を向いていることを表すようですが、クヴァラヤーナンダ師はプラーナの流れる中央の管、スシュムナーに向かっていると解しています。


13. 男根の根元に(カーラーグニという)火の住む四角形があり、稲妻のように閃き、熱された金のように輝いている。

この「四角」は、4枚の花弁を持つアーダーラ・チャクラを指しているようです。
原文では「火」は「ヴァーニー」ですが、19cの文献『バーラ プラボディニー』によれば、これは「カーラーグニ」という永遠の火なのだそうです。普段は眠っていますが、左足のかかとで会陰を押すことで燃え上がる、とされています。


14. "スヴァ"とはプラーナのことであり、スヴァディシュタ--ナとはその基盤を意味する。であるから、スヴァディシュターナはまさに男根を意味する。

プラーナは胸のチャクラにあるというのが一般的な理解ですが、ここでは違っています。
女性の場合はどうなのかと心配になりますが、男根の根元にあたる場所だと解しましょう。

15. ナービマンダラのところに、カンダ(球根)があり、珠に糸が通るようにスシュムナーが通っている。その中心にマニプーラ・チャクラがある。

「ナービ」はおへそのことなのですが、クヴァラヤーナンダ師は、スシュムナーは背骨を通っているのでおへそのはずがない、と英訳を保留しているようです。
「マニプーラ」は「宝石の街」を意味します。


ここまでが、チャクラについてですが、下から3つのチャクラしか説かれませんでしたね。
次は、ナーディについてです。

『ゴーラクシャ・シャタカ』和訳 第4〜第9頌。六支則と、第一番目のアーサナについてです。
()内はクヴァラヤーナンダ師による英訳注です。


4. アーサナ、プラーナサンヤーマ、プラティアーハーラ、ダーラナー、ディヤーナ、サマーディーは、ヨーガの六支則である。

六支則に和訳の一例をあてはめると、「坐法、調気、制感、集中、禅定、三昧」となります。

ヨーガをちょっと学んだ方なら2〜4世紀に成立した経典『ヨーガ・スートラ』の八支則(アシュタンガ・ヨーガ)をご存知でしょう。この六支則は、八支則のはじめの二つ、ヤマ・ニヤマがないだけですね。六支則の原形はすでに紀元前2世紀頃の『マイトラーヤナ・ウパニシャッド』にあり、プラーナーヤーマから始まっています。ヤマ・ニヤマの十戒は後からつけられたんですね。

ところが13世紀の『ゴーラクシャ・シャタカ』では、ヤマ・ニヤマをはずしてアーサナからはじまっている。アーサナで身体を整えれば心も自然と整う、というのが、ハタ・ヨーガ最大の特徴です。

ちなみに、ここでは「プラーナーヤーマ」ではなく「プラーナサンヤーマ」となっていますね。「アーヤーマ」だとプラーナに集中するという感じですが、「サンヤーマ」だとプラーナをコントロールするという感じなので、まさに「調気」ですね。


5. 生物の種類が数多くあるように、アーサナの種類も数多くある。マヘーシュヴァラは、そのすべてを知っている。

アーサナとは坐法のことです。現代ではポーズ、と訳されますが、本来は瞑想のための坐り方なんですね。

アーサナには動物の形を真似たものが多くあります。動物の名前がついているアーサナは、経典にも載っている古いものであることが多いようです。

「マヘーシュヴァラ」とは「偉大なる神」を意味し、ヨーガの神様シヴァを指します。漢語訳すると、仏教の「大自在天」となります。

クヴァラヤーナンダ師の解説によれば、シールシャやサルワーンガ、ハラ、ブジャンガ、シャラバ、ダヌールなどは、身体を健康にするためのもので、瞑想向きではないとしています。瞑想の坐法は、何時間も楽にできるものでなければなりません。

さらに、瞑想坐法の効用として以下のことを挙げています。
a) 背骨を真直ぐにするので内臓の圧迫を軽減し、心も軽くなる
b) 骨盤周りの血行を促進し、尾骨や仙骨の神経を整え、クンダリーニ覚醒の練習をする際に助けとなる
c) 心肺の動きがゆっくりになるため二酸化炭素の排出量が減り、身体という意識を離れ集中しやすくなる


6. 840万のアーサナの中から、10万ずつを代表するものを選び、シヴァ神は84のアーサナを挙げられた。

「840万」は、原文では「84ラーク」となっています。「ラーク」はインドで「10万」を表わす単位で、今も貨幣の単位として使われています。仏教でも「八万四千の法門」などというように、インドでは8万4千や840万は、ものすごくたくさん、を表わす象徴的な数です。


7. 全てのアーサナの中でも、二つのものは特に優れている。一つはシッダーサナ、二つ目はカマラーサナである。

シッダは達人坐、カマラは蓮華坐です。

「シッダ」はゴータマ・シッダールタの「シッダ」で、「達成」のこと。シッダーサナとパドマーサナは後のハタ・ヨーガ経典でも重要なアーサナとされていますが、なぜか『ヨーガ・スートラ』の注釈書『バーシャ』にはシッダーサナが載っていないそうです。

蓮華坐はパドマーサナとして知っている人が多いでしょう。「カマラ」も「パドマ」も蓮華のことですが、カマラは特にピンクの蓮華のことです。



8. 会陰に一方のかかと(左)をしっかり押しつけ、もう一方のかかとを陰部の上に置き、身体を真っ直ぐにして(バランス良く)、動かず器官をコントロールし、眉間の間に視線を固定する。これをシッダーサナといい、解脱への扉を開くものである。

「会陰」はサンスクリット原文では「ヨーニスターナ」ですが、その場所については、後にチャクラとの関係で考察します。

「解脱」はサンスクリット原文では「モクシャ」です。第ニ頌では「自由への階段」という似た言い回しがありましたが、こちらは「ムクティ」でした。どちらも語源は一緒で、「解脱」と訳されます。


9.右のかかとを左腿のつけ根に、左のかかとを右腿のつけ根に置く。腕を背中で交差させ、右手で右の、左手で左の親指をつかむ。顎をしっかりと胸につけ、鼻先を凝視する。これをパドマーサナといい、ヨーガ行者(自己コントロールができる者)のあらゆる病気を破壊する。

第7頌ではカマラだったのがパドマになってしまいましたが、同じことです。いきなり難易度の高いバッダパドマで、喉をしめるジャーランダラバンダも同時に行っていますね。

現代のアシュタンガ・ヴィンヤサでは左手で左足をつかんでから右手で右足をつかむ、という順番が決まっているそうですが、足をつかむ順番はここでは書かれていません。

『ハタヨーガ・プラディーピカー』(I-45)にはもうひとつ、手のひらを上に向けてお腹の前に置く方法も書かれています。


次はタントリズムの真骨頂、象徴に満ちたチャクラについての解説になります。お楽しみに。

gs.jpgtwitterで『ゴーラクシャ・シャタカ』の和訳をはじめました。
底本は先にカイヴァリャダーマから届いたクヴァラヤーナンダ師による解説付きの英訳本です。
英語からの重訳になるので、ときどきはサンスクリット原典にもあたってみますが、初学者なので参考程度に。

ときどきこちらでまとめを掲載していきますが、若干編集してますので、twitterしてる方は #Goraksha で追いかけてください。感想や意見も #Goraksha をつけてツイートしていただければ、反映していきます。

『ゴーラクシャ・シャタカ』について
『ゴーラクシャ・シャタカ』は、ハタ・ヨーガの現存最古の経典です。著者はナータ派の聖者マッチェーンドラの弟子、ゴーラクシャ・ナータ。101頌の詩でできた短い経典でありながら、なぜか未邦訳です。

「シャタカ」は「100」を意味しますが、この底本は101頌。101は100を越えた数であり、素数であり、回文数でもあります。インドでは数に意味を持たせることが多く、ましてや象徴大好きタントリズムのハタ・ヨーガですから、何か意味があるんでしょうね。

『ゴーラクシャ・シャタカ』には異本が多く、クヴァラヤーナンダ師も底本の決定には苦心されたようです。

『ゴーラクシャ・シャタカ』の面白いところは、チャクラとナーディだとか、ムドラーだとか、ハタ・ヨーガの密教的で面白いところが、すでにかなり出揃っていることです。

初めの3頌では、この『ゴーラクシャ・シャタカ』でヨーガを学ぶ目的が説かれます。

本文

0. オーム 偉大なる師ゴーラクシャ・ナータに帰命します。

はじめに聖音オームをとなえ、著者を讃えます。もちろん、後からの付加でしょう。
「ナータ」は、ナータ派の行者の名前につきます。インドの経典には大抵、はじめにそれを説いた人や神仏を讃える文がついています。

サンスクリットでは「パラマグル」となっているので、「最高の師」と言った方がいいかもしれません。我々もそれくらいの気持ちで読むわけです。

1.俗世に縛られている人々を解放するために、『ゴラークシャ・シャタカ』を説こう。これは自我を知るためのガイドであり、分別への鍵だ。

「自我」というのは、サンスクリット原文では言わずと知れた「アートマン」です。日本語で「分別」というと、仏教的には勝手な判断をするという意味で良くないことですが、ここでは、正しく物事を見極められる、という良い意味で使っています。

2. これは自由への階段であり、死から逃れる方法であり、心が幻から離れ、最高の自我へとつながっていく。

クヴァラヤーナンダ師の解説によれば、ヨーガの目的は時を超越することです。これにはプラーナ(気とか、生命エネルギーのようなもの)のコントロールが関係しています。

プラーナは身体のナーディという管を通っています。ナーディには真ん中のスシュムナー、両サイドにイダーとピンガラがあり、プラーナは一時間ごとにイダーとピンガラを交互に流れるそうです。ナーディは物質的身体とは違う次元にあるので、解剖しても出てこないんですけどね。

プラーナがイダーとピンガラに流れず、真ん中のスシュムナー(背骨のちょっと前にあるらしい)だけを流れるようになれば、「時」がなくなる、と考えられています。時を越えることは、老いからの解放、つまり死から逃れること、ですね。

3. 善き人はヨガを行う。それは、再生族がその枝に住むヴェーダという木の、望みをかなえる果実であり、世俗の苦しみをやわらげるものだ。

「再生族」とはサンスクリットでドヴィジャといい、上位カーストのバラモン・クシャトリヤ・ヴァイシャを指します。なぜ再生族かというと、10歳ぐらいでイニシエーションを受け、生まれ変わることになっているからです。

ドヴィジャには鳥の意味もあります。そして、ヴェーダを学んでよいのは再生族だけです。だから、ヴェーダの木に住んでるんですね。4番目のシュードラは「一生族」で再生せず、ヴェーダを学ぶこともできないのです。

「ヴェーダ」はサンスクリット原文では「シュルティ」となっていますが、天啓聖典のことなので、つまりはヴェーダです。「シュルティ」に対して、聖人が自分で書いたものは「スムルティ」といいます。記憶、思い出す、というような意味です。

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今週は、以上です。

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100902_goraksa.jpgインドのヨガ研究所であるカイヴァリャダーマから、布の包みが届きました。
布でくるまれたインドの小包を見たことはありましたが、こんな小さな郵便物まで丁寧にふちをかがってくるとは。。

今回届いたのは、ハタ・ヨーガの経典の中でも日本ではまだ翻訳本の出ていない『ゴーラクシャ・シャタカ』。サンスクリット原文の決定版に、英訳がついています。本編自体は百頌の詩なのでとても短いのですが、カイヴァリャダーマの創設者、スワミ・クヴァラヤーナンダ師による解説が詳しくて面白そうです。

100902_goraksa2.jpg成瀬貴良先生からお借りしていた十数年前のものとは版が異なり、少し改訂が加えられているようです。本の体裁も、手作り感あふれる糊の甘いハードカバーから、上質紙のこぎれいなくるみ製本に。

カイヴァリャダーマのサイトでは、ヨガ関連のテキストがインド価格で手に入ります。ちょっとお金がかかるのは送料だけ。

カイヴァリャダーマ 
海外向けショッピングサイト
http://www.kdham.com/index_for.html

かつては苦労してインドへ行かなければ手に入らなかったテキストの数々。今ではネットで注文して、2週間ほどで手元に届いてしまいます。あとはスキャンしてクラウドに上げてiPadで閲覧。。OCRでテキストを抽出して翻訳や論文のソースに。。いい時代になりました。
インドから届いた布包みの手触りだけが、現実感を与えてくれます。

でも、苦労しなければ得られないものもあったはず。便利になって効率的になった分、できた余裕でもっと多くの経験をしたいものです。
縫い目を一つ一つほどきながら、これを縫ってくれた遠いインドの人とのつながりを思うのです。

(本文訳は後日試みたいと思います。)

やさしく学ぶYOGA哲学- バガヴァッドギーター (YOGA BOOKS)
向井田みお
アンダー・ザ・ライト ヨガスクール

敬愛する向井田みお先生のご著書がついに出版されます♪
ヨガを深く学ぶ方なら必携の『バガヴァッドギーター』を、ヨガスクールの先生という立場から、とても分かりやすく解説した本です。
難しいインド哲学用語も、自然に身に付くように工夫されています。
(なんとなんと、私が装丁・レイアウトしています。)

出版元のアンダー・ザ・ライト ヨガスクールでは、こんなお得な企画も。。

【書籍付き】10/18 (日)/出版記念 90分でわかる「やさしく学ぶYoga哲学- バガヴァッド・ギーター」
http://www.underthelight.jp/news/2009/09/1018_90yoga.html

ヨガペンギンJR駅のKIOSKやNEW DAYSでペットボトルのお水"From AQUA"を買うと、ヨガをするSuicaペンギンフィギュアがもらえる、というキャンペーンをやっていました。
もうなくなってしまったみたいですけど。

ポーズは全部で8種類。手足が短くて良く分からなかったりもしますが。。たぶん、ブルクシャ、ブジャンガ、セツバンダ、サルワーンガ、ナタラージャ、ヴィーラバドラー3、マールジャーラ3、パドマ(足が短くてバッダコーナになってますが)。
つなぐと一つの輪になります。

なかなかの可愛さだったので、一気にコンプリートしてしまいました。
フィギュアのために不必要にペットボトル買いまくるって、全然ヨガじゃないですけどね、、

ヨガクッキー先日、目黒区青葉台にあるビーガンカフェ Cafe 8 の「YOGA COOKIE」なるものをいただきました。
それも、私の体質にぴったりなヴァータクッキー。なんでわかったんでしょう。。?
って、わかるか。。

YOGA COOKIEには、アーユルヴェーダの分類による3つの体質に合った3種類の味があります。
「Vata」は冷えやすいヴァータ体質の人のための、クミンの香りが効いたスパイシーなジンジャークッキーで、ほんとに身体が暖まります。
「Pitta」は熱を冷ますココナッツクッキー、「Kapha」は砂糖を使わず太りにくいパイ風クッキーだそうで、もう少し暖かくなって身体の中のヴァータが落ち着いたら食べてみたいところです。

もちろんビーガン仕様で、白砂糖や添加物も使っておらず、マクロビ的にもOK。
瓶にたっぷり入って1,890円ですが、予約しておけば1,365円でレフィルを買うこともできて経済的。身体に良くておいしくて、しかもエコ。まさにヨガクッキーですね。

その後Cafe 8にはヨガ仲間とディナーに行ってみました。本格的で凝った料理ばかりで、デザートもどれもおいしく、ビーガンレストランだということを忘れるほど。
私はベジタリアンではないですが、これだけおいしい物があるなら、あえて肉を食べなければならない理由はなくなってしまうような気もします。

青山のPure Cafeとは姉妹店。Pure Cafeはサンドイッチ等の軽食が中心ですが、YOGA COOKIEはこちらでも購入できます。

いまに生きるインドの叡智―ヨーガの源流から現代の聖者まで
成瀬 貴良
善本社
売り上げランキング: 67859

タイトルと表紙が売れなそうな雰囲気を醸し出している 、『いまに生きるインドの叡智』。

しかし内容は、偏りのない客観的な立場でインドとヨーガの歴史をよくまとめてあり、教科書的に全体を俯瞰するには非常に良い本です。

特に第一部と第二部は、用語や概念の出典と変遷についてもていねいに追われており、参考文献の紹介も詳しいので、学術的にもレファレンスとしてかなり参考になります。

第一部はヴェーダとウパニシャッドまで。これと辻直四郎の『ウパニシャッド』を読めば、各種ウパニシャッドの特徴はだいたいつかめるので、次に全訳を読んでみたいものも絞れてきます。(高いんですけどね。。)

第二部はヨーガの経典類。ヨーガを学ぶ上で必要な用語は大体網羅され、よくまとめられています。マニアックな所では、経典ごとの登場アーサナ名一覧が興味深いです。

第三部は近代のグルと呼ばれるヨーガ行者達の略伝になっています。このあたりはほとんど知らなかったので、概要をつかむのに役立ちました。読み物として楽しめます。

指定図書でなければ手に取らなかったであろう良書。
古本で買ったらサイン本だったので、大事にしたいと思います。

#追記(2009.5.10)
その後、成瀬先生にお会いし、改めてサインをいただきました。なんと前のサインから10年が経っています!家宝です。(表紙が今風でないのは10年前の本だからですねっ。ごめんなさいごめんなさい、、)
今はすっかり先生のファンで、ハタ・ヨーガを師事させていただいています。

090209_imantra1.gif5本目は、これもマントラ関連の「iMantra」。何回もマントラを唱える時に支援してくれるアプリ、ということですが。。これはかなり微妙でした。。

"Beads"モードでは、画面の数珠の玉を指でスライドして繰ることができ、カウントが表示されるのできちんと108回数えられる。数は9〜499まで設定可能。いくつかのマントラ音声が収録されており、一緒に唱えてくれます。その他に、自分のマントラを9つまで録音できます。
背景の画像は自分のフォトライブラリから選べるので、好きな神仏を表示できます。
マントラは、ヨガでおなじみの"OM"や、チベット仏教徒がよく唱える観音菩薩の"Om Mani Padme Hum"なども入っているのですが、収録数は少なく、音声もあまり魅力的でないです。。Buddhistカテゴリにはなぜか一つだけ日本語の"Nam Myoho Renge Kyo"が入っていますが、発音が微妙。。さらに、宇宙っぽい音声加工をした"Universal Mantra"ってのが入ってるんですが、一体なんなんでしょうね、これ。。


090209_imantra2.gif数珠モードについても、別に本物の念珠でいいんじゃないかと。
これで600円は高すぎ。


ただ、"Chant"モードにしておくと勝手に108回唱えてくれるので、自分の信仰する神仏のマントラを吹き込んで、忙しいときは神棚や仏壇の前に置いて再生しといたら、いいんじゃないでしょうかね。

090208_prayer1.gifiPhone向けヨガアプリシリーズ第4弾は、『Collection of Prayers』です。

内容は、ヒンドゥー教の代表的なマントラ集。
入浴のマントラなど日常的なものから、各神々への祈りまで、数多く収録されています。
サンスクリットの後にアルファベットの読み方と、英語の訳。サンスクリットの勉強もできそうですね。

これを制作したIndianic,LLCというところは、他にもヒンドゥー教関連アプリを数多く出しているのですが、どれもまずデザインが美しい!iTunes Storeで扱っている公認アプリでもけっこう適当な作りのものが多いのですが、これは完成度が高いです。

090208_prayer2.gifただ、音声も入っているかなと思っていたのですが。。音は一切ないので、発音の参考にはなりませんでした。
テキストをキレイに並べただけで600円。は、ちょっとお高いかな?


一通り知っているけれど完璧に覚えてはいない、という人にはいいかもしれません。

090118_singingbowls.gifチベットの仏教僧が持つ密教法具、ドニパドロを模したアプリ「Singing Bowls」。

ドニパドロは英語でチベタンベルとかシンギングボウルとも呼ばれています。日本の仏壇にあるお鈴とよく似ていますが、チベットのものは叩くだけでなく、ふちをなぞることでふわ〜んとした共鳴音を鳴らすのが特徴です。瞑想鈴とも呼ばれ、ヨガクラスでは瞑想に使われることが多いようです。

このアプリは、画面に3種類のドニパドロの写真があり、それぞれタッチすることで異なる音が出る、というだけのシンプルなもの。軽くタッチすればはじいたような音が、長く触っていればふちを撫でたような音がします。

ただ、いかにも電子音という感じで音割れもあるので、、癒し効果については微妙。
本物を持っていない場合に雰囲気程度に。115円。


先日、「陰ヨガと自己望診断」というワークショップに参加しました。

陰ヨガは初めてでしたが、動的に筋肉に働きかける陽のヨガに対して、一つのポーズに3~10分と長い時間をかけ、関節や靭帯、経絡に働きかけていくというもの。心が内側に向いてゆくので、瞑想的でとてもリラックスします。

望診法というのは観相学の一種で、顔に現れた症状から身体の悪い所を知るというもの。てっきり中国のものだと思っていましたが、江戸時代に水野南北という日本人が陰陽五行説に基づいて開発したものだったんですね。食との関係が深いので、マクロビオティックにも取り入れられています。

マクロビオティックも、アメリカから流行したけれど、元は日本人の桜沢如一氏が考案したもの。
陰ヨガも日本の本山博氏の理論を元にアメリカのポール・グリレイ氏が創始したものだとか。

日本発のものなら、日本人の心と身体にはぴったりなはず。それが世界でも受け入れられていくなら、うれしいことですね。

090117_yogastretch1.gifYoga Trainer PRO」と似たコンセプトのアプリですが、もっとシンプルで初心者向けな「Yoga STRETCH」。
アーサナ数こそ35と少ないですが、人物がシルエットになっていて、デザインがとても美しい。

基本的にはセットされたシークエンスに従ってヨガを行っていくというだけのシンプルなもの。 
インストラクションの音質はあまりよくないですが、女性の声による説明がていねいで、全体の流れも「Yoga Trainer PRO」より良いので、個人で練習するにはよさそうです。

090117_yogastretch2.gifアーサナリストから一つずつ選んで見ると、簡単な説明や効果が書かれています。

トータル時間が1時間以内で設定できるのですが、短く設定すると単に途中で終了するだけのようですw

練習用としては、お気に入りのヨガDVDをiPhoneに入れたほうがよさそうですが。。
ポーズの名前を確認したいときや、人に見せて話の種にするには、絵がきれいなのでいいかもしれませんね。

230円というのもお値打ち価格。

iPhone、iTouch向けアプリの中には、ヨガ関連のものもいくつかあります。
続けて何本か紹介してみたいと思います。

090116_yogatrainer1.gifまずは、「Yoga Trainer PRO」。
プラナーヤーマのインストラクションや、シークエンスのインストラクションのプリセットが何種類か入っているので、それに従って練習することができます。ただ、写真の女性がそんなに上手ってわけでもないのが。。

アーサナの英語名とサンスクリット名が表示されているので、名前を覚えるのに役立ちそうです。ただ、音声で読まれたり読まれなかったりするのが。。

各ポーズで"i"マークをクリックすると説明ページが開き、ポーズの取り方や初心者向けTipsがわりと詳しく書かれています。"note"をクリックして、自分のメモを残すこともできます。

090116_yogatrainer2.gifこのアプリで特徴的なのが、My Sequence です。自分でアーサナリストの中からシークエンスを組んだものを、何種類か保存しておくことができます。
アーサナの種類は100種類以上と、この手のアプリの中では多い方ですが、リストの並び順に法則性がないので探しにくかったり、保存した順番がいつのまにか入れ替わっていたり、微妙。。
自分がクラスをつくるときに使えるかなと思ったんですが。。

ま、450円てことで、参考程度に。
今後のアップデートに期待します。

岩波文庫の『バガヴァッド・ギーター』を訳した上村勝彦氏によるギーター解説本です。

面白いのは、インド文学者である上村氏が天台宗の僧籍も持っており、大乗仏教とギーターに多くの共通点を見いだし、その比較を交えながらの解説になっていることです。

ギーターの説く梵我一如の思想は、大乗仏教の如来蔵思想、本覚思想に受け継がれています。大乗経典『涅槃経』や本学思想を説く『真如観』には、ギーターと酷似した内容がいくつもあるのです。

けれど、仏教にもインド哲学にもなじみがない人には、かえって混乱してしまう内容かもしれません。
大乗仏教からみたギーターであることを強調するサブタイトルがついていたら、もっと本当に興味がある人が手に取るのではないかと思うのですが。もったいない。。

090106_skid1.jpgスキッドレスで有名なyogitoesスキッドレス・神様コレクション
ヴィシュヌ、クリシュナ、カーリー、ガネーシャ、ラクシュミーの五種類があり、それぞれを象徴する色のスキッドレスに、神々のイラストがプリントされています。収益の一部はチャリティ団体へ寄付されるようになっています。

easyoga チタニウム ヨガマットタオルと同様、裏に滑り止めがついており、ヨガマットの上に敷いたり、床に直接敷いたりして使用できます。

090106_skid2.jpg私は黒のカーリーを愛用。黒にゴールドの縁取りとプリントがゴージャスです。ウッターナでは恐ろしい形相のカーリーとばっちり目が合います。。
黒の上だと自分の手足がくっきりきれいに見えて、集中しやすいのも気に入っています。

自分の好きな色だけでなく、ご利益を得たい神様や寄付したい団体から選んでみてもいいかもしれませんね。


ヴェーダ文献の研究で著名な辻直四郎氏のウパニシャッド概説。ウパニシャッドの成り立ちと特色を、分かりやすく流麗な文体で解き明かしています。多くを原典に語らせ、中立的立場をとりながらも学者としての確かな意見を述べる手法は、先のJ.ゴンダ氏の『インド思想史』にも通じる信頼感をあたえます。

ウパニシャッドは紀元前約600~300年という長い間に個々に成立してきたため、全体としての一貫性に欠けるとしながらも、その教義の中で「大宇宙の本源を尋ねて到達したブラフマンすなわち梵(brahman)と、個人の本体として識得されたアートマンすなわち我(atman)とを最も重要な概念」と認め、「一元的世界観」を特徴とするウパニシャッド哲学の核心を簡潔に言い表しています(p.41)。

巻末にウパニシャッドの中でも最古層のブリハッド・アーラニヤカ、チャーンドーギヤ、カウシータキの抄訳がついており、つまみ食い的に雰囲気を味わうことができます。

Prakriti: Your Ayurvedic Constitution
Robert E. Suoboda
Sadhana Pubns
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古代インドの医学、アーユルヴェーダの概要を知っておこうと思い、西洋人で初めてアーユルヴェーダ大学を卒業したというDr. Svoboda の 『Prakriti: Your Ayurvedic Constitution』を読んでみました。

重要なコンセプトは太字で箇条書きにまとめてあったりするので、ざっと読んだだけでも大体の枠組みはつかめるようになっています。

アーユルヴェーダでは、サーンキヤ哲学の提唱した五大元素、地・水・火・風・空を、三つのドーシャという性質に分け、これらの性質の現れによって個人の体質を見ます。

Vata - 風、空
Pitta - 水、火
Kapa - 地、水

二つのドーシャが複合的に現れる場合もあります。私はかなりVataに近いようです。

それぞれの外見や性格上の特徴、体質に合った食べ物や生活習慣などが詳しく書かれているので、どれが自分に当てはまるかなー、と考えながら読んでいると、けっこう夢中になってしまいます。現代人の生活に合った内容になっているので、インドの哲学にそれほど興味がなくても、楽しく読めるようになっています。(イラストもかなり中途半端な"西洋からみたインド"で、専門性よりは読みやすさ、受け入れやすさを目指しているのがわかります。)

最後の章には、それぞれのドーシャを受け入れて許し、幸せに生きるようにとのメッセージがあります。古代の智慧ですから現代医学的裏付けはありませんが、健康番組に振り回されるよりは、バランスのとれた生活を送るヒントになるかもしれません。

インド思想史 (岩波文庫)
J. ゴンダ
岩波書店

各宗派、学派の成り立ちを、その業績と問題点とともに優劣なく簡潔にまとめた良書。
中庸的立場で原典に依りながらも、確固たる知識に基づいて私見を述べていて好感が持てます。読みやすい入門書でありながら、研究者にとっても示唆に富むガイドブックとなっています。

内容はヴェーダ、ブラーフマナ、ウパニシャッド、ジャイナ教、仏教(小乗、大乗)、マハーバーラタ、バガヴァッドギーター、サーンキヤ、ヨーガ、唯物論、と順に概説しています。

巻末のインド思想史年表も非常に便利。
前半のみの訳だというのが残念ですが、インドを源流とする主要な思想の成り立ちと相関を偏見なく概観するには、かなりおすすめできる一冊です。

081231_easyoga1.jpgeasyogaのロゴである蓮が真ん中にプリントされた、見た目にも可愛らしいヨガマットタオル。裏側にはチタニウムを含むエナジー・ドットがついているのですが、これも小花柄のようなデザインで、カラーも統一されています。雑誌にもよく載っているのですが、やはりスタジオでは「それ何?!かわいい〜!」と注目の的です。

くるっと巻いて小さく運べるので、スタジオに持っていってレンタルマットの上に敷けば、すぐに自分の空間に。汗を吸ってくれるし、裏側のドットが滑り止めになるので、ポーズも安定。洗ってもすぐ乾くので、毎日の練習にも清潔に使用できます。チタニウムには痛みを軽減し、血液循環がよくする効果があるそうです。旅先でも、直接床に敷いて簡易マットとすることもできます。(厚みがないので膝や頭をつくポーズには不向きですけど。)

瞑想や座学のときは、蓮のマークの上に座ると落ち着くような気がします。
シールシャ・アーサナ(頭立ちのポーズ)のときには、蓮の中に頭を置くことに決めておくと、集中しやすく安定します。目線の先に蓮がくるようにして、目印にしてもいいでしょう。

081231_easyoga2.jpg可愛いだけでなく、とても実用的なヨガマットタオル。
マットサイズとハンドタオルサイズがあるので、お気に入りの色をそろえて使い分けるのもいいですね。

easyoga チタニウム ヨガマットタオル
easyoga チタニウム チタニウム ヨガマットタオル (ハンドサイズ)


熊谷 惠雲 (vivian)
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