『ゴーラクシャ・シャタカ』和訳7 - ムドラー

『ゴーラクシャ・シャタカ』和訳 第32〜第37頌。ムドラーについてです。
*()内はクヴァラヤーナンダ師による補足です。


32. マハームドラー、ナボームドラー、ウディヤーナ、ジャーランダラ、ムーラバンダを知るヨーガ行者は、奇跡の力の受け皿となる。

これから5つのムドラーについて、1頌ずつを費やして詳細が説かれます。
最後の3つは、締めつけるバンダですね。


33. あごを胸にあて、左のかかとでヨーニ(肛門と睾丸の間)を強く押し続ける。伸ばした右足を両手で持ち、呼吸によって両サイドを満たし、(一定時間)保ち、ゆっくりと吐く。これをマハームドラーといい、人間のあらゆる罪を破壊する

「マハー」は「偉大な」を意味します。あごを胸にあてるのはジャーランダラ・バンダでもあります。罪を破壊するとはすごいですね。
ここでは右側しか述べられていませんが、左側もバランスよく行った方がよいでしょう。


34. 舌をひっくり返して頭蓋骨の穴、つまり鼻咽頭に入れ、目線を眉の間にしっかり固定する。これがケーチャリー・ムドラーである。

2番目はナボー・ムドラーのはずですが、突然ケーチャリー・ムドラーが出てきます。「ケーチャリー」はサンスクリットで「飛行」、ナボーは「空」なので、どうやら同じものをさしていたようです。

鼻咽頭は鼻と喉がつながっているところで、喉のかなり奥です。ここをふさぐのは、不老不死の甘露、アムリタが流れ出すのを止めるためなのですが、むやみにやると逆に自分の舌でのどつまらせて死んじゃいそうですね。
これを行うには舌が相当長くなくてはならないので、舌の裏の筋をちょっとずつ切ってひっぱって伸ばすんだとか。。危ないので、確かな師の指導なしにはやらないでくださいね。


35. 男根の上、へその下の場所をウッディヤーナという。ここのバンダはこの場所をコントロールし、死という象に向かうライオンのごとくである。

息を吐ききってお腹を引き上げるウッディヤーナバンダですね。内蔵のコントロールというより、プラーナのコントロールのことを指しているんでしょう。ハタ・ヨーガでは死の克服が重要なテーマになっています。


35.喉の引き締めを特徴とするジャーランダラ・バンダを行うと、甘露はナーディマンダラの火中に落ちることなく、ヴァーユが誤った方向にいくことがない。

不老不死の甘露(ネクター、アムリタ)を燃やさないように、喉のところで止めるのです。
15頌ではお腹にあるのは「ナービマンダラ」とされていましたが、ここではナーディマンダラとなっています。ヴァーユは気の流れです。


37. ヨーニ(肛門と睾丸の間)をかかとで押し、肛門を引き締め、アパーナを引き上げる。これをムーラ・バンダという。

「ムーラ」はムーラーダーラ・チャクラと同じく「根本」を意味します。ムーラ・バンダはアーサナクラスでもよく聞く言葉ですが、ただ体を強くするために引き締めるのではなく、下へ向かう気であるアパーナを引き上げるために行うのです。


これらムドラーはアーサナの一部と思われがちですが、坐法であるアーサナと異なり、プラーナのコントロールとアムリタの抑制を目的としています。


次はプラーナーヤーマです。

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