『肉体のヌートピア―ロボット、パワード・スーツ、サイボーグの考古学』 永瀬 唯


表紙の奇妙な造形のロボットとサブタイトルに惹かれて購入した永瀬 唯 『肉体のヌートピア―ロボット、パワード・スーツ、サイボーグの考古学』。"蒸気につづく電気の時代、見えない光線が支配する新しい魔法の時代。人は既存の身体イメージを解体し、新たなる肉体の風景を描き出した。からくり人形、ロボット、サイボーグ、パワード・スーツ......機械身体をめぐる近代史。"とのこと。

「ロボット」という言葉を作ったカレル・チャペックの『R.U.R.』やリラダンの『未来のイヴ』といったヨーロッパの古典にも触れられているのですが、後半はほぼアメリカのSF史で、文章もなんだかハヤカワの翻訳調。

SFの古典はよく知らなかったのですが、いわゆるタコ型火星人の出典であるH・G・ウェルズの『宇宙戦争』や、アニメ『攻殻機動隊』に登場する関西弁の箱形サイボーグ「ジェイムスン社長」の元になった、ニール・R・ジョーンズの「ジェイムスン教授」シリーズはちょっと読んでみたくなりました。

ホムンクルス(人造人間)として創造されたロボットと、人体の拡張であるパワードスーツやサイボーグ。『ロボットの天才』で見た夢と希望に満ちたロボットたちとは異なる、人の歪んだ欲望の表れとしての機械身体に焦点をあてている書です。


ちなみに表紙は檜山巽さんという女性のCGアーティストの作品だったようです。
人体とカエルを合わせたような造形が、なんともいえない不気味な魅力です。

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