空海『三教指帰』


『三教指帰』は、弘法大師空海が24歳の頃、大学を辞めて仏教の道に進むにあたって、その決意と仏教の優位性を説いた著作です。中国へ渡って密教を修める前のことですから、その依って立つところは大乗仏教です。
実際には、24歳の時に書いた『聾瞽指帰』を、入唐の後に修正したものと見られています。

この角川ソフィア文庫版には、平易な現代語訳と読み下し文に、空海の生涯についての簡単な解説がついています。
三幕の戯曲形式で、難しいものではなく、あっというまに読めてしまいます。

兎角公の放蕩息子、蛭牙公子を、儒者の亀毛先生、道士の虚亡隠士が次々に説教するが、最後には仏僧の仮名乞児に全員が教化される、という内容。

儒教や道教を完全に否定しているわけではなく、両者の特徴をよくつかんだ上で、仏教を最善とし、空海自らの進む道の正しさを明らかにしようとしています。

若かりし空海の早熟な文才と思想の一端を垣間みることができる、興味深い書物です。

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熊谷 惠雲 (vivian)
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