陳腐なタイトルではあるが、表紙のイラストと、帯の「それはもう、憑いている」というおかしなコピーにひかれて手に取った。
四眷属十二種の幻獣たちをテーマにした、ちょっとダークな短編集である。一篇がひとつの幻獣・幻植物をモチーフにしているため、ショートストーリーを楽しみながら、幻想の生き物に思いを馳せることもできる、というお手軽なアンソロジーだ。
幻獣のランナップを見ると、どうやら自分と似たような読書暦を持つ人なのではないかとも思う。
たとえば、オアンネス、スキタイの羊、カトブレパス。
「ヒトニグサ」というのは聞いたことがなかったが、どうりで、現代の創作物だそうだ。
内容は、ちょっとセンチメンタルに過ぎるような気もするが、以前好きでよく見ていたテレビ番組『世にも奇妙な物語』(フジテレビ製作。1話15分、1回3話のオムニバス)を思わせる、日常の隣に潜む魔を描いた、なんともやりきれない味わいの小品たちだ。
「幻獣」の部分を求めすぎるとまったく喰い足りないが、気軽な文庫でにショート・ホラーを楽しむつもりなら、ちょっとした空き時間に異世界を見せてくれることだろう。




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