―ウェブ、検索、そしてコミュニケーションをめぐる旅
オライリージャパン (2006/04)
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よくあるユーザビリティの本かと思いきや、経路探索の歴史を文化史的、行動心理学的視点で紐解きながら、今後の情報のあり方に思いをめぐらせるという、ちょっと学術的内容の、読み応えのある本です。
最近のWebサービスの事例とURLが載っていたり、画像や情報の出典がWikiだったりと、著者とともに最新の潮流に身を投じながら読んでいく楽しみがあります。逆に言えば、そばにインターネットがないともどかしい思いをするかもしれません。
いくつかキーワードを挙げてみましょう。
ロングテール、フォークソノミー、セマンティックウェブ、ユビキタス。。
Google、Amazon、Flickr、セカンドライフ。。
ひとつでも、興味のあるものがあったでしょうか?
Webに関する書籍の致命的な欠点として、出版時にはすでに流行おくれ、という問題がありますよね。現時点で原書出版から1年半、邦訳出版から1年。すでにセカンドライフは載っていますが、Google Earthは登場していません。
それでも、示唆に富んだこの本の価値は、読む者に新しい視点を与えてくれる、というところにあるので、すぐにビジネスに役立てようと考える向きにはどうかわかりませんが、情報のあるべき姿を求めているなら、指針を得られるでしょう。
とはいっても、Morville氏のGoogle Earthについての意見を知りたかったな。。と思ったら、ご本人のブログの中に一件だけエントリーがありました。
findability.org: Google Earth on Safari
短いので簡単に訳出しておきます。
サファリのGoogle Earth
Google Earthは、その複雑にリンクした経路探索と検索の機能で、我々が現実世界を探検し、航海し、学ぶことを可能にし、アンビエント・ファインダビリティの"今ここにある未来"を示している。 ナショナル・ジオグラフィックの提供するアフリカのジオコーディング(訳注:2005年5月19日に発表された、アフリカに関する記事を位置情報と結びつけたGoogleEarth向けのデータ)は、物事がどこへ向かっているかについて、さらなるヒントをくれる。今朝の5分間のサファリ探検で、私はマダガスカルにズームインし、サンコウチョウに関する記事をひろい読みし、気がつくと、ベレンティ・プライベート保護区で、ベローシファカのアクロバティックな動きや凄まじい叫び声を楽しんでいた。ベローシファカは私の最新の著作の表紙にも載っている、キツネザルの希少な一種だ。
2005年9月26日 findability.org
Morville氏の文章は一つ一つの言葉にいくつもの背景を含んでいて、原文のイメージをそのまま日本語で表現するのが難しいんです。。
ちなみに「複雑にリンク」としたところは原文では「intertwingling」と表現していますが、これはハイパーテキストの生みの親、テッド・ネルソン氏の造語「Intertwingularity」からきていて、知識の複雑に関連しあった状態を指します。Wikiユーザー等が好んで使うそうですが、Wikipedia はまさにこの状態ですね。
「今ここにある未来(future present)」というのも、Morville氏がよく使っている言葉です。
「探検し、航海し、」としたところは原文では「Explore, Navigate」ですが、かつて双璧をなしていた2つのブラウザを連想させますね。Morville氏は言葉遊びが好きなようなので、もしかしたらこれも彼のちょっとした遊び心なのかもしれません。
今後ブラウザは今のような形ではなく、もっと意識せずに使える、まさにアンビエントなものになっていくだろうと予想されています。階層構造の神話はすでに崩れはじめています。私たちは、原初の生命のスープのような情報の海から、タグと検索で何かをとりだそうとしています。
必要なものを得るには、キーワードを正しく唱えられなくてはなりません。
しかもこの海ではどんな情報も貴賎なく浮かんでいて、結局は経験や権威につき合わせてどれを信用するかは自分次第なのです。
そんなあふれる情報の中で迷ってしまったなら、階層構造と順序を持った、このずっしりと質量のある書籍を、ぜひ手にとっていただきたい。情報とは何かを、もう一度考えさせてくれるはずです。


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Hello
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G'night
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G'night